30代サラリーマンの高配当と株主優待投資ブログ

セミリタイア/FIREを目指すサラリーマンのブログ。配当は再投資、優待はご褒美。2020年9月から株式投資の記録をつけて、2032年に資産1億円を目指します。(多分)

JFLAホールディングス(3069)が株主優待を休止!優待改悪しそうなヤバい株の見分け方?

どうも、たっつんです!

乳製品の加工・販売や国内外で食品の卸などを手がけるJFLAホールディングス(3069)ですが、2024年度1Q決算と同時に株主優待の当面の見送りを発表しました。

2026年3月までは見送る方針とのことで、この発表による株価への影響は避けられないようです。

PTSは超大幅下落…!

今回は同社がこうなってしまった背景を確認しつつ、株主優待の廃止を避けるための立ち回りについて考えます。ちなみに過去記事にも書いた通り、筆者は同社の株はリスクが高いと判断し手放していました。

「これから株を始める」「優待株に興味がある」人にとって、少しでも参考になれば幸いです。

銘柄情報

株価 328円(2023/8月10日現在)

PER N/A倍

ROE N/A%

自己資本率 12.0%

配当利回りN/A%

まず、企業が株主優待を廃止、改悪するに当たって最も大きい要因は業績の動向が挙げられます。当然ながら、利益を出さないことには企業は存続が危ぶまれますし、内部留保や借り入れによる資金も決して打ち出の小槌ではありません。

では、同社の業績を見てみましょう。

優待休止の最大の要因は業績悪化に伴う資本の枯渇

同社は2019年から急速に業績が悪化しています。2018年までは10.8億円あった売上高も翌年には2.7億円に急速に縮小、更にその翌年2020年にはコロナショックが直撃し厳しい状況が続きます。2021年からはいよいよ営業赤字が出るようになり、それからは黒字化させることができず直近の2023年期に至ります。

業績が縮小し出してから赤字決算が3期続いている間に、自己資本率は26%から12%程度にまで低下しました。利益が出ていないにも関わらず、1株につき年間4円の配当と株主優待の進呈を実施していたことも資本力の低下要因となったと思われます。

ただ、察するにこれは苦肉の策だったように思います。「ここで無配、優待廃止をしたら当社の株価はとんでもないことになってしまう!」という思いが少なからずあったと考えます。そのような状況が続き、とうとう来るところまで来てしまった(本来であればもっと早い判断が必要だった)のではないでしょうか。

と、このように今回の優待見送りについても財務面で枯渇して来た影響が大きかったと思われます。

市場の反応と投資妙味

同社は以前、株主優待を廃止・変更することなく、むしろ力を入れていく旨の開示をしています

▼2021年11月5日発表のIR資料から抜粋

残念ながら発表から2年足らずで株主の期待は裏切られたことになりますが、経営環境、業績を見れば株主優待に何らかのテコ入れがあってもおかしくありません。

今回は株主優待の「見送り」の発表で、「廃止」ではありません。上記IRでは「廃止や変更の予定はない」とアナウンスしており、嘘ではないといえば確かにそうです。

また、個人的にはこのタイミングで優待休止を発表したことにも意味があると思っており、今期決算の2024年度1Qでは営業利益でようやく黒字化(なお、純利益は赤字継続)し、経営陣の「このタイミングでの優待休止なら多少はマシかも」という考えが透けて見えるよう気がします。

しかしながら市場の反応は冷ややかで、PTSの株価は大暴落を招いています。

これは同社への投資妙味も関係していると推察されます。

まず、同社の業績については前述した通り非常に悪い状態が長らく続いていました。その間自己資本率も低下の一途を辿っており、改善の兆しが見えておらず、苦しい状況からの脱却が難しいことも手に取る様に分かっていました。

この様な状況の企業の株を買ったとして、果たして株価の上昇に期待できるでしょうか。赤字続きで利益が出ていない会社の株価が上がる様な奇跡は現実的ではありません。

また、インカムゲインを狙うにしても1%程度の配当利回りでは投資妙味がありません。しかも赤字決算で配当している状況であり、綱渡りをしている会社経営と言っても過言ではなかった様に思います。

キャピタルゲインを狙うのも難しい、インカムゲインも妙味が無い…同社は投資対象として魅力が乏しすぎました。そこで唯一残ったのが株主優待だったわけです。同社にとって株主優待は、言わば株価を保つための生命維持装置のような立ち位置だったことでしょう。

経営陣も当然それは分かっていたでしょうし、だからこそIRで廃止しない旨をアナウンスしたり、赤字決算が続いても安易に改悪などできなかったと推測します。

しかし、その生命維持装置を取り外したことで一縷の投資妙味が失われてしまい、今回の大暴落に繋がったと考えます。過去の似たような事例でペッパーフードサービス(3053)が挙げられます。

株主構成の変化

同社の株主構成の推移を見てみましょう。

▼2019年3月

▼2023年3月

業績が急激に悪化し出した2019年から2023年にかけて個人投資家の割合が増えていることが分かります。

配当金による株主還元であれば株主構成がどうであれ支払う配当に変わりはありませんが、同社のように株主優待に力を入れている企業にとっては、個人投資家の増加はコストの増加に直結します。

特にグルメカタログ系の優待は個人投資家から人気化しやすく、業績が悪化し続けているにも関わらず個人投資家の比率が増えているという点からは、業績と株主優待コストの因果関係さえ感じてしまいます。

優待銘柄の危険度チェックポイント

今回のJFLAホールディングスの事例から分かる通り、優待銘柄を物色する際は以下の点に注意しましょう。

ポイント①:業績

企業業績は悪化していないか。

決算短信から今後の見通しをチェックする。

自己資本率の推移をチェックする。

ポイント②:投資妙味

株主優待のみに投資妙味が偏重していないか。

株価上昇は臨めるか。

ポイント③:株主構成

個人投資家の比率が急激に増えていないか。

こちらもチェック

過去記事です。「自己資本率が低い」旨は当時から気にしていましたね。今回はうまく撤退できていてよかったです…。いつもうまくいくわけではないですが。

okuri-man.hatenablog.com

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