30代サラリーマンの高配当と株主優待投資ブログ

セミリタイア/FIREを目指すサラリーマンのブログ。配当は再投資、優待はご褒美。2020年9月から株式投資の記録をつけて、2032年に資産1億円を目指します。(多分)

今週決算銘柄のエーアイテイー(9381)について考察

どうも、たっつんです。

今回は今週決算銘柄のエーアイテー(9381)について考察します。なお、完全に個人的主観による考察となるので投資は自己責任でお願いします。

 

エーアイテー(9381)について

同社は関西発祥の複合一貫輸送業者で日中間の海上輸送で衣料、日用雑貨などの輸入に強みを持っています。通関業務に注力している、いわゆる運輸系の会社です。

同社の主な取扱商品はアパレル関連製品や、日用品、生活雑貨と行った商材となっていますが、コロナ禍で主力のアパレルは荷動きが滞っています。ただ、巣篭もり需要で日用品や生活雑貨がアパレルの減少を補って余りあるほど堅調に推移しています。その結果、前回の2Q決算では会社の事前予想を二桁上回る業績で着地しております。

コロナ禍でも堅調な業績の企業ですが、これは人件費や営業活動における費用の圧縮に努めた影響も大きいと思います。

業績

f:id:tattsun5:20210110123603p:plain

近年は営利、利益ともに成長を続けています。20年期には日新運輸・日新運輸子会社及び日立物流グループと資本業務提携、完全子会社化したことで売上高が大きく増えています。今後、そのシナジー効果が発揮されるか注目です。

テクニカル

こちらが一年チャートになります。

f:id:tattsun5:20210110124400p:plain

コロナ禍で大きく売り叩かれたあと10月に天井をつけています。その後調整が入って、現在は三分の一を戻した位置にあります。

5年チャートを見てみましょう。

f:id:tattsun5:20210110124514p:plain

レンジ相場で動いています。コロナ禍で売られた時期を除くと、概ね現在の位置より上で推移していたように見えます。1200円で最初の抵抗線があるように見えます。

定性情報

同社の収益の約半数は海上輸送セクターとなっています。そこで、現状の海上輸送の状況をチェックしました。

まず、最近順調な海運株(日本郵船川崎汽船)のIRを参照したところ、コンテナ船の需要が旺盛だとわかります。とはいえ、エーアイテーの場合は日中間の貿易が主力となりますので、日中間の貿易データが必要になります。

そこで、日本海事新聞を参照しました。エーアイテーの3Q期間は9〜11月となりますので、特にその期間の情報を収集すると気になるニュースが二つほどありました。

日本海事センターが貿易統計を基にまとめた、9月の日中間コンテナ荷動きは、日本発中国向け往航が前年同月比14%増の85万トンで、3カ月連続で2桁の伸び率となった。

 

日本海事センターが貿易統計を基にまとめた10月の日中間コンテナ荷動きは、日本発中国向け往航が前年同月比18%増の100万9000トンで、24カ月ぶりに100万トンを超えた。

9月、10月ともに前年比で二桁の伸びとなっています。海上輸送の需要は非常に旺盛ですね。

バルチック海運指数を見ても、9〜11月にかけて一つの大きな山があります。

f:id:tattsun5:20210110130225p:plain

運賃上昇を販売価格に転嫁できていれば、収益面での心配はなさそうです。原油価格も底値圏なので燃料コストが逼迫することもないはずです。

懸念点を挙げるとするならば、やはり主力のアパレル製品の取り扱い量に関してです。

▼エーアイテーの決算説明資料を引用

日新運輸及び日新運輸子会社は、アパレル顧客との取引が多く、従来の当社グループに比べ、下半期により営業収益を上げ、利益を獲得する収益構成で あります。 よって、グループ全体では、※後述)上半期は前年同期を下回る営業利益ですが、下半期に多くの利益獲得が図れるものと見込んでおります
▼エーアイテーの決算短信を引用 

当社グループでは、アパレル関連製品や日用品、生活雑貨といった商材の取扱いが多く、その国際輸送は第3四半期連結会計期間にピークを迎えます。アパレル関連製品の取扱いは、第3四半期以降も低調な推移となることが予想されるため、その減少を十分に補うべく、取扱いが堅調に伸びている日用品や生活雑貨等の貨物集荷に注力してまい ります。また並行して人件費や固定費等といった様々なコスト削減にも取り組み、利益の創出を図ってまいります。

 アパレルの取扱量がいかに重要な売り上げになるかがわかります。同社の顧客であるアダストリア(2685)の月次を確認してみましょう。f:id:tattsun5:20210110132412p:plain9〜11月の3Q期間は上半期に比べると回復傾向にあることがわかりますが、以前厳しい数値であります。少なくとも好調とは言えないでしょう。あくまで回復基調という段階です。(ちなみにユニクロの月次は好調でした…)
また、同じく顧客の大創産業に関しては巣篭もりによる日用品、生活雑貨の需要旺盛で堅調だと想定しています。アパレルの回復基調、日用品、生活雑貨の需要堅調…以上から売り上げ面では控え目に見ても「極端に悪くはない」程度だと思います。
 ※後述部に関して

「上半期は前年同期を下回る営業利益ですが、下半期に多くの利益獲得が図れるものと見込んでいる」とのことですが、同社は2Q時点で前年同期を上回っています。これはポジティブな情報と取れるように感じます。

一方で、人件費や営業活動における費用の圧縮効果とも取れそうです。コロナ禍で人件費や営業費を削減して利益を上げる企業はたくさん見てきましたが、個人的には株価へのインパクトがイマイチな気がします…。相性の問題かもしれませんがw

費用圧縮で利益を良く見せるという手段はよくあるものですが、それだけ稼ぐことができなかったとも言えるわけです。賢い経営と紙一重な部分なので判断が難しいですね。

総括

上振れ材料としては海上輸送の想定以上の需要、下振れ材料としてはアパレル不振といったところでしょうか。ただ、あまりにひどい決算は出さないと思います

なので、市場が現在株価をどう評価しているか?という点で鍵になると思います。

決算を前にやや動意付いてきているように見えますし、2月配当なので株価はまだ下がりにくいかもしれません。

判断は難しいですが、一つ面白い決算銘柄になると思います。私は少量買ってみようかな、という所です。