どうも、たっつんです!
今回は株界隈で話題の日医工についての記事になります!
上場廃止を発表した日医工ですが、一体何が合ったのかを約5分で読める記事にしました!
サクッと解説します
日医工(4541)上場廃止の背景
ジェネリック医薬品の製造販売大手企業。
昨年には国の承認手順と異なる方法で医薬品を製造したとして、県から業務停止命令を受け、今年5月に私的整理の一つである事業再生ADRを申請しています。
事業再生ADRとは?
事業再生ADR制度は、経済産業大臣の認定を受けた公正・中立な第三者が関与することにより、過大な債務を負った事業者が法的整理手続によらずに債権者の協力を得ながら事業再生を図ろうとする取組を円滑化する制度です。
11月14日に発表した2023年3月期の中間決算では、548億円の最終赤字を計上し、負債が資産を上回る債務超過額が356億円に上りました。
業績不振の原因は信用問題はもちろんですが、米子会社のセージェントグループの資産を査定した結果、「多額の減損損失」が発生する見込みとなったとのことです。
これを受け、2000年に父の後を継いだ現社長は辞任と同社の上場廃止を発表しています。後任は未定とのことですが、辞任時期については「第三者割当増資の払込完了日をもって、社長を退任したい旨の申し出があった」とのこと。
最後に第三者割当増資を引き受ける…という覚悟でしょうか…。
第三者割当増資とは
ここで気になるのが第三者割当増資です。
第三者割当増資とは?
特定の第三者に株式を有償で引き受けてもらうことで資金を調達する手法。上場企業が実施する場合には、既存株主の利益保護に配慮することが重要。
つまり、新株を発行し資金を調達するわけですが、既存株主からすると新株が発行されることにより株式の希薄化が起こる(株価が下がる)ため歓迎されないことがほとんどです。
将来への投資という意味で増資をするケースもありますが、経験則として少なくとも短期では第三者割当増資で株価が上がったケースを見たことはありません。
更に今回の日医工の新株発行数は、現在流通している約7000万株の9倍程度に登る約6億3000万株(200億円)にもなります。理論上、株式価値は10分の1程度になります。
(株数に関しては敢えてキリがいいようにしています)
また、新たに発行した約6億3000万株(200億円)は事業再生ファンドであるJWPに割り当てられます。
スクイーズアウトという手法
日医工がなぜこれほど膨大な新株を発行したかというと、上場廃止のためにスクイーズアウトという手法を取るためです。
スクイーズアウトとは?
スクイーズアウトとは、少数の株主や特定の株主から、大株主が強制的に株式を取得する手法を指します。意見の対立する少数株主や連絡がとれなくなった株主に対して金銭等を交付して強制的に株式を買い取り、株主から排除する方法です。
日医工は上述した第三者割当増資により大量に新株を発行した後、株式併合を発表しています。その割合は約7000万株を1株に併合するというものです。
すなわち、今回第三者割当増資によりJWPが併合前の約6億3000万株を引き受けるので、併合後は9株を保有することになります。
そして、元々市場に流通していた株(累計で約7000万株)を持っていた投資家たちは皆が1株未満の保有となります。そのため、スクイーズアウトが適用でき、強制的に企業が株を買い取ることができる…というスキームです。
株価の反応
今回のスクイーズアウトでは併合前の1株を36円で買い取ることになりました。
同社株が新株発行を発表する前日の株価が362円で、理論上、発行株の価値が希薄化により10分の1になることによる数字かと思います。
投資家サイドからすると一方的に株価を下げられる思いで耐え難い問題ですね…。
しかし、昨年から信用問題などは明らかになっており、芳しくない決算報告書も開示されています。投資は自己責任が株の世界の常識で、常に何らかのリスクを背負ってリターンを狙っているわけです。
11/15時点の株価は300円です。これが36円程度まで下落することは避けられないでしょう。
同社の株価はずっと右肩下がりで推移していましたが、チャートの動きは企業のファンダメンタルに帰結するとも言われています。
チャートだけで判断して「これだけ下げたらそろそろ反発するだろう!」と根拠のない逆張りを仕掛けるほど危険なものはないですね。
業績や財務を見ることが大事だと分かる一件です
以上、株のホットな話題でした。
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